2024/8/12 vol.72
Vol.58で取り上げた責任感というテーマについて、再考したいと思います。
「あなたは責任感のある人ですか?」 と問われれば、おそらく8割以上の人は「Yes」と答えるでしょう。しかし、「あなたの周りを見渡して、本当に責任感のある人は何割いますか?」と聞かれた場合、どう答えますか?私の周りを見渡してみると、3人に1人、つまり3割程度ですかね。その差はどこにあるのでしょうか?
おそらく認識の差、つまり、自分の立場と他人の立場での見方が違うからだと思います。責任を英語で言うと、「Responsibility」、つまり、「Response」(応える)+「Ability」(能力)のことです。言い換えると、人の期待に応える能力のことです。
このことから、責任感とは2つの側面があります。1つは、他人の期待とは何かを100%理解することです。自分勝手に解釈するのでは、ミスマッチが起こり、結果的に責任を果たされないことになってしまいます。
もう1つは、ミスしてしまった、あるいは自分の能力を超えた場合の対処方法です。この対処方法に対して2タイプの人がいます。タイプ1は、(無意識的に)相手のせい、環境のせいにする人です。例えば約束の時間に遅れた場合、「いや、道路が混んでね」、「出る時に、上司に呼ばれてしまった」などを開口一番に言います。依頼された仕事が期日通りにできなかった場合、「○○情報が足りなかったから」、「仕入先からの入荷が遅れたから」など、あれこれ理由を探します。確かに、言っていることは事実です。気の毒に、相手から見ればただの言い訳に過ぎないことを本人は気づいていないのです。これとは逆に、タイプ2は、失敗したことをどう挽回できるか、一生懸命考える人です。「こうすればどうですか」、「これこれをもうちょっとやってみますが」と、相手の損害を最小限に食い止めようとあれこれ対策を考えます。
つまり、相手の期待を理解しているかどうか、原因を自分にあるかどうか、という姿勢が違うのです。皆さん、自分の行動を振り返ってみて、自分の責任感はどう見えていますか?
一般社団法人 日本パワーエレクトロニクス協会
代表理事 楊 仲慶
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