2024/5/13 vol.59
私がわが社(Mywayプラス)を創業した初期の話です。
当社はパワエレ分野で開発ツールを提供しているため、お客様はその開発ツールを使って、パワエレ技術や製品を開発します。そのため、開発も手伝ってほしいという依頼が多くありました。O社様向けの電源開発もその一例です。
お客様の要望する仕様の開発経験は無かったのですが、それを実現させるアイデアがあったので、開発を受けることにしました。ところが、半年間の開発期間を過ぎても、なかなか動作が安定しません。さらに2か月延長してもやはりできませんでした。とうとう時間切れです。
担当の取締役技術部長から、「楊さん、あなたの頑張りは本当に敬服します。あす、私は責任をとって会社に辞表を提出しますが、あなたには予定の開発費用を支払います」。私は涙が出るほどうれしかったです。この開発費用がなければ、会社は倒産していました。
その後、何とかこの技術を製品化したいという信念で、横浜市の助成金を得て、双方向電源の開発を漕ぎつきました。因みに、この製品はその後、神奈川県工業技術大賞奨励賞を受賞し、当社の発展の基礎を作ったといっても過言ではありません。
人は、経験を通して学習していくのです。その中で、失敗があります。その失敗を恐れて、またはその責任を避けるために、新しいことをためらっては、新しい技術、新しい製品が生まれなくなります。新しいことをやるには、不確定な困難があります。事前にすべての課題、障害を取り除くことは不可能に近いです。前向きな失敗は必要で、まさに「失敗は成功の母」ですね。
チャレンジすることは、若さの証拠だと私は思います。チャレンジしないことは、精神年齢の老化を意味します。チャレンジすることは、自分自身を生き生きさせ、人をわくわくさせることができます。
一般社団法人 日本パワーエレクトロニクス協会
代表理事 楊 仲慶
PR 【パワエレ転職】のあれこれ