最近、SiCパワーデバイスは車載・鉄道などいろいろ使われ始めていますが、
600V耐圧のGaNパワーデバイスはどのような応用があるのでしょうか?
中耐圧の領域になりますので、汎用インバータ、家電製品などの用途になるかと思います。
HEV/EV、新エネ用分散電源なども中耐圧の領域に入りますがが、こちらは使用する電流が大きいので、一般的にはSiCが有力視されているようです。
今年の10月25日に開催されるパワエレフォーラム2019では、GaNデバイスの車載応用に関するパネルディスカッションが予定されています。
トップエンジニアの意見が聞けますので、参考になると思います。
最近SiC MOSFETもMOSチャネル抵抗を低減してきており、中耐圧レンジに攻めてきています。GaNも高速性を活かせる横型構造にするのか、大電流を活かす縦型構造でメリットを活かすのかといった議論も必要と思われます。
皆様、ご回答ありがとうございました。
とても勉強になりました。
今後もご教授よろしくお願いいたします。
GaNパワーデバイスの応用分野に関しては私も大変興味があり、今後も継続的に議論させて頂ければと思いますので、よろしくお願いいたします。
GaNデバイスはスイッチング特性がよいとされており、充電器などに結構使われていますが、GaNデバイスは、コスト面でSiやSiC、あるいはGa2O3に中々メリットが出せないと思います。
Si限界説がささやかれておりますが、コスト面でSiを勝るデバイスはなく、マイナーチェンジではあるけれど、まだまだ新しいSiデバイスが開発されています。どんな優れたデバイスでも、コスト面で使われるところが限られると、世の中になかなか普及しません(研究分野ではなく、ビジネスとして)。世に普及しないと、コストも下がりません。こういったデバイスは研究分野では話題となっても、製品化されにくいです。
Siデバイスで特性が出せないところの多くは、SiCでカバーできます。これもGaNデバイスが普及しない理由の一つだと思います。