2024/11/25 vol.87
大分以前ですが、福井大学・松木先生より、「基礎からの技術者倫理」(松木純也著、オーム社)という本を送られてきて、大変興味があったので一気に読みました。技術者として、自らの存在意義や科学技術がもつ2面性、私たち技術者が作り出した結果に対する責任など、多く考えさせられました。その中で、「技術者の社会的責任」について、大変共鳴しましたので、紹介したいと思います。
私たち技術者は自らの知恵と努力により新しい技術を発明し、人々の快適で便利な暮らしを実現してきました。一方で、「大量生産・大量消費・大量廃棄」により、地球環境が破壊され、人類のみならず、地球上の生命の存在さえ危ぶまれる事態になりつつあります。技術者として、どんな責任を自覚しなければならないでしょうか?松木先生は著書の中で、以下の3つをあげられています。
1.技術を通して社会のニーズに応える責任
本当に社会の公益にかなうものか、自らの私利はないかを自問しなければならない。
2.技術のもたらす結果に対する責任
作り出した技術製品がどのように社会に影響するかを考えなければならない。特に、一般の人に誤用はないか、悪用はないかを十分に考えなければならない。
3.技術と結果を人々に分かる言葉で説明する責任
技術と成果物が一般の人々に使われない限り、価値がない。故に、技術の意義やその普及に対して情報発信しなければならない。
私自身は電気工学、パワーエレクトロニクスを専門としています。上記に照らして、自分の社会的責任は以下のように考えています。
1.パワエレ技術の開発を通して、省エネ&新エネの普及に貢献していきます。
2.人を攻撃する軍用製品の開発はしません。地球と未来にプラスの製品を開発します。
3.パワエレ技術の果たす役割と地球環境の現状を積極的に伝えていきます。
皆さんは技術者として、どんな社会的責任を考えていますか?
一般社団法人 日本パワーエレクトロニクス協会
代表理事 楊 仲慶
PR 【パワエレ転職】のあれこれ