2023/08/21 vol.21
まだマイウェイ技研(現Mywayプラス)を創業して間もない頃のことです。東海大学で開催された「電気自動車・ソーラーカー製作講習会」に参加しました。当社のお客様でもある木村先生が主催者でした。当日の朝、荷物を車に積んで、7時45分頃会社を出発し、開始時刻9時の30分前に、東海大学・湘南キャンパスに到着しました。守衛所で会場を聞いたところ、会場は湘南キャンパスではなく、高輪キャンパスにあると言われました。びっくり仰天。木村先生は湘南キャンパス勤務ですので、てっきり、会場も湘南キャンパスだと思い込んでしまったのです。急いで高輪キャンパスに向かいました。結局、会場に到着した時には2時間の遅刻となってしまいました。関係者にはご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。
考えてみると、研究開発の世界でも、思い込みが相当あったなぁと反省しています。問題が発生したとき、「これはこの原因に違いない」、また、ちょっとよい結果が出ると、「これで完璧だ」、などのような思い込みは、私だけではなく、仲間も部下も相当あると気付きました。特に、研究開発において、必ずといっていいほど、問題は発生します。大切なことは、先入観を持たず本当にこれが本当の原因か、他の原因は考えられないのか、時には、先輩や同僚・後輩にも耳を澄ませて、謙虚に話を聞くことです。どうしてもアイデアが出ない場合は、一旦中断し、飯を食ってお風呂に入って、発想転換の節目をつくることです。
また、人間関係や夫婦関係のトラブルの原因も、思い込みに起因することが多いのではないでしょうか。「きっと、私のことを悪く思っているに違いない」、「あいつに話してもきっと理解してくれないはずだ」のような思い込みはないでしょうか。私の経験では、問題の9割は、些細な誤解や行き違いが原因で、相手と心をオープンに語り合うことで晴れるものです。まずは勇気をもって声を掛けてみることです。
一般社団法人 日本パワーエレクトロニクス協会
代表理事 楊 仲慶