2023/06/12 vol.11
開発・設計業務は事務業務と違って、時間をかければ、必ずできるものではありません。また、最終の仕上げでは、あと数%の完成度をあげるために、かける労力はこれまでの数倍必要なこともあります。したがって、どんな会社も、技術者の労働期間がその他の職種より長いのが実情だと思います。そして、家族と一緒に過ごす時間が取れなくて、家族からの苦情も多いではないかと思います。
「どうにか、家庭と仕事の両立をしたい」と悩む技術者はたくさんいるかと思います。残念ながら、これは無理な話です。大事な納品がかかっている時に、子供が風邪だからと言ってすぐ休む人には、責任の重い仕事は会社から任せられないでしょう。しかし、だからといって、家庭を犠牲にしてよいというわけではありません。
そこで、仕事ができる人になるためには、日ごろ家庭をインフラとして整備しておくことです。まずは、妻・夫が何を大事にしているかを理解することです。私の場合、妻が飲食店を経営していて、週末にはボランテアとして、お茶の教室を開いています。仕事にかける情熱は私も負けるくらいです。ですから、普段から妻のよき理解者として妻の相談を真剣に聞いたり、やってほしいことは可能な限り手伝ったりすることを心がけています。また、家にいる時間が大変少ないのですが、可能な限り積極的に家事を手伝い、言われたことは、快く楽しくやるようにしています。
仕事の成功は、人生を楽しくしてくれるのみならず、幸せな家庭生活にもつながっていくことができます。仕事に打ち込めるように、日ごろ家庭というインフラを手入れしておくことが大事です。
一般社団法人 日本パワーエレクトロニクス協会
代表理事 楊 仲慶