2023/06/5 vol.10
「もうちょっと期限を伸ばしてくれないか」、「もう少し時間がほしい」。技術者なら、誰でも普段言っていることではないでしょうか。自分が手がけている開発の完成度を少しでも上げたいからです。しかし、どんな仕事でも期限があることを念頭に置かなければなりません。特に、ソフトウェア開発の場合、いくら時間をかけても完全にバグをとることができません。
事故でけが人が大量に出血している場合、どんなに高名な医者を呼んできても、息を引き取られたら名医も藪医者になります。これと同じように、世の中の変化は速い。折角いい技術、いい製品でも、時間をかけすぎて、資金の底がついてしまったり、または売れるタイミングを逃してしまったら、元も子もなくなります。要は、決められた時間内に、どれぐらいできるかが勝負です。ですから、開発がスタートする時に、時間の期限を念頭にその段取りを計画し、時間をしっかり管理することが肝心です。
もちろん、期限がきても、もう少し時間をかけて、完成度をあげていく必要な場合もあるかと思います。この場合でも、早めにその進捗を上司に報告して、あとどれくらい時間をかけるべきか、事前に上司またはお客様と合意することが重要です。
仕事のできる人は、常に決められた期限内に、最大の成果を出すことを意識しているのです。
一般社団法人 日本パワーエレクトロニクス協会
代表理事 楊 仲慶