2023/04/24 vol.4
「忙しい」「時間が足りない」「マンパワーが不足」「あと1週間ほしい」というのが多くの技術者の嘆き言葉です。では、最初から開発期間を2割多くした場合、上記の嘆き言葉が聞こえてこないのでしょうか。多くの場合は、そうではないのが現実です。
技術開発の場合、予見できない問題が発生します。そのため、多くの技術者は最初から日程(スケジュール)を作らず、あるいは、作ったとしても、守る意識がなく、ひたすら開発設計に没頭しているのです。そして、その忙しさに満足しているのです。
多少自慢話になりますが、我慢して読んでください。大学受験勉強時のことです。私は農村出身ですから、都市に行ける唯一の道は大学に行くことです。つまり、大学に行けない場合は、一生農村に暮らすしかないのです。そこで、私は勉強時間を2時間ごとに区切って、それぞれ勉強するテーマを当てます。そして、2時間1コマの間には30分の「あそび」時間を入れました。2時間の間に予定の勉強ができた場合は、ご褒美として「遊んでいいよ」、できなかった場合はこの30分を引き続き勉強する、というやり方です。もちろん、予定通りにうまく行かない場合は、日程を再度設定しなおします。目標が明確で、やる気がわいてきて、勉強がどんどん進んで田舎出身の私が一流の大学に入学することができました。
聞いた話ですが、マラソン選手も数キロごとに目標を設定し、最終ゴールに向かって走るそうです。同じように仕事を再分割し、そしてそれぞれの日程(目標)を立てることが仕事を効率的に進める秘訣だと確信しています。
一般社団法人 日本パワーエレクトロニクス協会
代表理事 楊 仲慶