パワーエレクトロニクス技術者の継続的な育成と交流を目的としてパワエレフォーラムをハイブリッドで開催します。
最先端のデバイスの紹介とそのデバイスを利用したパワエレ製品まで今後のトレンドを含めた講演を行います。
世界的なカーボンニュートラルの課題に対して、製品の電動化が急激に加速化しています。
企業は、より高付加価値な製品が求められる中で、最新技術は欠かすことができません。
当協会は、最先端技術の情報をシェアすることで、パワエレ技術者の育成とスキル向上に寄与することを目的としています。
皆様にお会いできることを楽しみにしています。
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座長
東京都立大学
清水 敏久
パワー半導体は、電力変換に用いられ、電気を自在に操るパワーエレクトロニクス技術において欠かせないデバイスとなっています。エアコンなどの家電、インバータ、太陽光・風力発電変換器などの産業用途、また、ハイブリッド自動車・電気自動車向け駆動回路などの電装用途に使われています。パワー半導体は、高電圧・大電流を扱い、動作時の損失を減らすことにより、パワエレ機器の高効率化・小型化に貢献しています。従来、Si材料を用いたパワー半導体が主流であり、デバイス構造を工夫することで損失低減を進めてきました。近年、SiC、GaNに代表されるワイドバンドギャップ材料のデバイスが登場しており、更なる低損失化が進んでいます。パワー半導体の低損失化に向けた開発動向について、ご紹介いたします。
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座長
横浜国立大学
河村 篤男
高圧需要家のビルにはインバータを採用した業務用空調機が普及しており、その電力がビル全体負荷に占める割合が高いことから高調波電流の流出が増加していることが問題視されている。このため、低コストで高調波流出電流抑制効果が高いことから空調機にアクティブフィルタを設置することが望まれており、業務用空調機のアクティブフィルタの出荷台数は年々増加している。空調機用アクティブフィルタが最大補償容量の50%で空調機の高調波電流抑制制御を行っている場合、無効電力を最大86%出力することができ、高調波電流抑制制御と無効電力制御が両立できることを示した。その上で、空調機用アクティブフィルタが配電系統の課題を解決するために無効電力制御を用いた受電点の力率制御や配電系統の電圧制御の研究開発を進めている。本来の機能に加えて、世の中の課題に合った新たな機能を持たせることによるパワーエレクトロニクス技術の採用拡大の可能性を発表する。
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座長
横浜国立大学
河村 篤男
温暖化対策に貢献すべく、自動車の電動化、すなわちxEV化による燃費向上のニーズがますます高まっている。しかしながら、xEV化によって内燃機関車と比較して発熱部品が増加し、それによって熱マネージメントシステムが複雑になる。更に、その発熱シーンも多岐にわたる。そのため実機をベースとした開発では、これらを網羅的に検証しようとすると膨大な時間を要してしまう。そこで、xEVの熱エネルギーフローを解き明かし、高精度な熱流れモデルを使って検討を行なうモデルベース開発に取り組んでいる。本講演においては,xEVにおける熱マネージメントの現状と課題について、技術開発に活用している計測技術や解析技術の現状も含め紹介する。