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転職コラム

 

外的キャリアと内的キャリアとは?
今回のコラムは、心理学者のエドガー・ヘンリー・シャイン博士が1978年に発表した理論である、「外的キャリア」と「内的キャリア」について、お伝えしたいと思います。現在の仕事でキャリアを積み上げる方も、将来、転職してキャリアアップを目指したい方にも参考になりますので読んでくださいね!

 

■外的キャリアとは■
皆さんは、久しぶりに会った友人に今の仕事の話をする際、名刺交換から始めることがあると思います。名刺には、会社名や職種、役職などが書かれているので、相手に自分の表面的なキャリアを伝えることができます。これが目に見える「外的キャリア」と呼ばれるものす。外的キャリアには業種や職種、年収、役職、仕事内容などが含まれ、目に見えて理解しやすい要素を指します。氷山に例えると、水面より上に出ている部分と考えると分かりやすいでしょう。会社に誇りを持つ人は、表面的な部分にこだわることもあります。履歴書や職務経歴書にも記載される要素なので、無視することはできませんね。
■外的キャリアとは■
このエピソードは私の個人的な思い出話です。以前、外資系企業で働いていましたが、学生時代の同窓会が近づいていた頃に昇進したことがありました。古い名刺も持っていましたが、わざわざ新しい役職の名刺を準備して、同窓生と交換した記憶があります。何となく上位職の名刺を出す喜びを感じました。皆さんも、そんな経験はありませんか。今考えると、当時は外的キャリアにこだわっていたのかもしれません。しかし、外的キャリアだけでは、自分の内面を表現することはできません。名刺交換を済ませた後、友人と仕事の「やりがい」や「価値観」、「不満」など、内面的な思考を共有しました。そのような会話を通じて、初めて自分の思いを知ることができました。そのような経験のある人も多いのではないでしょうか。つまり、もう一つの心に秘めた「内的キャリア」があります。

 

■内的キャリアとは■
内的キャリアとは、仕事に対する動機や意味、価値観を指すと考えられています。それは、主観的であり、同じ水面下にあっても、個々の思いの深さには個人差があり、簡単に理解されることはありません。実は、この内的キャリがもっとも大事なのです。実際の氷山は水面下が9割とも言われて目に見えない部分がほとんどとなります。仕事に対する拘りや価値観は経験を通じて変化することもあります。例えば、興味がない部門に配属されたとします。最初は、興味がなくとも業務を行う中で、やりがいや達成感が生まれることもあります。
これは、未経験の分野に対する理解不足から「自分には向いていない」と勝手に判断していたことが原因だと考えることができます。このようにして、興味がなくとも経験を通じて新たなやりがいを見出すきっかけとなることもあるのです。自分のことにもかかわらず、自分自身で理解できていないところがあるのが内面的キャリアの難しいところです。一人で抱え込まないで専門家と話すことで自分自身に新たな発見があるかもしれません。

話は同窓会の会話に戻ります。実際に、同窓生と名刺交換をした際に「どんな仕事をしているの?」と聞かれ、話していくうちに、新しい仕事に対する期待感と同時に不安感も話をしていました。会社では新しい役割の「不安」を表に出すことができなかったため、必死に頑張るしかないと思いながら働いていました。今考えると自分が思い描いていたキャリアとは少し異なる方向に進んでいると感じた記憶があります。当時はキャリア相談の専門家の存在も知らなかったので一人で抱えて悩んだこともありました。

 

■バランス感覚と優先順位■
下記の図のように、外的キャリアと内的キャリアを天秤に例えると「右上がり」でも「左上がり」でもなく、平行にバランスが保たれていることが理想とされています。が、現実的には難しいかもしれません。例えば、高い報酬や決定権を持つ役職に就いていても、実はやりがいや達成感が低く、充実していない場合、現在のキャリアを継続することが難しくなります。その結果、「転職」を考えるようになることもあります。
■バランス感覚と優先順位■ 
キャリアに対する考え方は人それぞれ異なり、マネジメント職でやりがいを感じる人や、スペシャリストとして現場で働くことにやりがいを感じる人がいます。40代前後には、「マネジメント職」と「スペシャリスト」の分岐が訪れるとも言われています。はやめに、自分がどのように働きたいかをしっかり考えることで、将来のキャリアについて迷子にならないように準備をすることが大事です。
パワエレ転職では自身が大切にしたい内的キャリアを中心に、パワエレ業界に精通した認定コンサルタントが一緒に整理し、将来のキャリアを考えるお手伝をします。転職を「する」・「しない」にかかわらず、相談は、無料ですので気軽に登録できるのがいいところですね。

 

 

2024年5月9日
執筆者:古市 健 (C’sキャリアコンサルティング株式会社 代表取締役)

 

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