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 ―――「パワエレ電気入門」の受講で得られる知識を教えてください。
 電気を専門として勉強しなかった人向けの内容です。機械系や化学系を専門とされているエンジニアは高校物理では電気を勉強したと思いますが、電磁気や電気回路についてきちんと整理されて頭に入っていないと思います。高校物理の学習指導要領では、そのあたりが整理されている内容になっているのですが、学んでいる高校生には、電気、波動、運動、原子の一部となっているので、電気のものの考え方が整理されて身につきにくいと思います。
 この講座で得られる知識は、電気のものの考え方の理解です。一言でいえば、電磁気と電気回路は別物ではなく、とても関連が深いことを理解してもらうということです。 電気の勉強は公式を覚えて計算しただけで現象は理解できていないという方が多いのではないかと思っています。私は大学で機械工学科の学生を対象にした電気の授業を10年あまりやっています。その授業での経験を生かして講座の内容を組み立てています。
 ―――「パワエレ電気入門」理解することで、どのように業務に活用出来ますか。
 電気は見えないので嫌いだ、わからない、と思っていた人が、電気に関することが出てきても、わかろう、と思うようになれるのではないかと思います。ただし、直接電気の業務ができるようにはなりません。電気でやっていることの理解につながると思います。
 現在、パワエレのエンジニアが不足しています。そのため、これまでパワエレにかかわってこなかった人がパワエレを理解しなくてはならなくなっていると思います。パワエレ技術には電気回路と電磁気が深くかかわっています。電磁気と電気回路の基本的な考え方が理解できるので、これからパワエレを始める方の基礎体力になると思っています。
 ―――「森本先生」が設計に参画した製品と設計の苦労話をお聞かせください。
 実は、私は大学に入学したときには電気をやるつもりはありませんでした。当時は、工学部として入学し、3年生から学科に分かれる仕組みでした。2年生では自分が進みたい学科に関係する科目を中心に選択するようになっていました。そのため、2年生のときには電気の科目は選択しませんでした。ところが、自分がやろうと思っていた分野の科目を取ったのですが、高校で学んだときのイメージと違うことが分かりました。そのため、3年生に進級するとき、どの学科に行こうかと大変悩みました。当時、兄貴分として慕っていた助手の先生に相談したところ、一番嫌いな科目を聞かれ、電気だと答えたところ、なら電気に行ったらどうだ、と言われました。電気を2年間勉強してみて、やはり嫌いだったらエンジニアはやめて商社にでも就職すればいいじゃないか、と言われました。電気工学科に進学して、最初は大変でしたが、わかってくると面白くなってくるものです。その結果が今の私です。