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 ―――「測定技術」の受講で得られる知識を教えてください。
 開発者やエンジニアの人は、ものを作ること、開発することが好きですが、計測というのは地味な分野であまり力を入れないかもしれません。しかし、実際は自分が作ったものを評価することは、とても大切です。その基本となる計測について、少しだけ体系的に説明し、計測の基本を得られるようにしています。
 また、このセミナーでは実験を取り入れています。(現在はコロナ禍でオンラインですので叶いませんが)DC/DC変換器、インバータを見たことはあるかもしれませんが、実際に動かしたことがない人もいると思います。実験では、どのように設定して動くのかなどの基礎がわかります。パワーエレクトロニクスで、とくに大切なDC/DC変換器とインバータ、モータを取り上げています。このセミナーは、計測に関する基礎技術とパワエレに関する基礎をしっかり習得できます。
 ―――「測定技術」理解することで、どのように業務に活用出来ますか。
 測定技術は、体系づけられていません。個々に持っている知識で行います。パワエレの計測に関してしっかりと書かれている本もありません。岩通のエンジニアの方から知識を得ながら、体系的にまとめたものが、このセミナーの資料です。プローブの使い方などの知識を体系的に得られますので、業務のあらゆる場面で、開発、試作、現場などで活用していただきたい技術です。
 ―――「髙木先生」が設計に参画した製品と設計の苦労話をお聞かせください。
 計測技術に関してなのですが、2015年に東京工科大学が出来て着任し、研究室を立ち上げました。しばらくやっていなかった「回路を組んで測ってみる」ということをしました。昇圧チョッパは、ソース側がグランドされているのでゲート電圧はすぐに測れます。シングルプローブで問題なく測れるのですが、そのまま今度は降圧チョッパを作って測ろうとしました。何も考えず、ソース側にアースをつなぎ、ゲート側にプローブの電圧を測る方をつなぎました。すると、ソース側がアースで落ちてしまいました。何故か判らずにいたところ、岩通のエンジニアの方に、パワエレは差動プローブを使わなくてはいけないのだと教えてもらいました。これ以来、パワエレではアースかどうか不明の時には必ず差動プローブを使用するということを肝に銘じています。簡単な測定なのですが、原則に則って行うことが大切でありますので、このセミナーでも皆さんに認識していただければと思います。