2025/2/10 vol.98
働く目的の1つは、紛れなく生活のためです。従って、生活を豊かにするには、それなりに働かなければなりません。一方、働く目的が生活のためだけでは、ちょっと寂しいものです。なぜなら、人間は動物と違って、それぞれ自分なりの存在価値があるからです。その存在価値とは、社会に、人にどれくらい役に立つかにあると私は思います。もちろん、その価値、即ち貢献が増えれば増えるほど、報酬も増えてくるのです。その意味で、報酬は私たちの価値(=貢献)の尺度にもなります。
では、何をどうすれば、貢献を多くすることができるのか?
1つは、仕事の効率を上げ、他人よりも真面目に誠実に働くこと。1日24時間、誰に対しても平等です。限られた時間内で、どうすれば多くの成果を出せるかが問われます。もう1つは、自分の能力をアップさせ、担当範囲や役割を大きくすることです。業務知識やスキルだけではなく、人間的な魅力(ものの見方、考え方)、さらには、管理能力を磨かなければなりません。
上記2つをきちんとやれば、多くの報酬を手にすることができます。しかし、それだけでは、サラリーマンの領域に過ぎません。それ以上の報酬を手に入れたいのならば、リスクを恐れずに、他人がやりたくない新規事業をやる、または、他人が行きたくない新天地に行って果敢に挑戦することです。この意味で、報酬は自分の能力と成果に対する尺度だけではなく、リスクを負う度合いの尺度にもなります。
大分以前ですが、北尾吉孝氏の『何のために働くのか』という本を読みました。氏は自ら手をあげ、一番業績の悪いニューヨーク支店に行き、その支店を再建したそうで、大変感銘を受けました。そういうサラリーマン意識を超え、果敢に挑戦することが、氏の金銭的のみならず、自己実現という心の報酬も手に入ったと思います。
一般社団法人 日本パワーエレクトロニクス協会
代表理事 楊 仲慶
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