パワーエレクトロニクス技術者の継続的な育成と交流を目的として「パワエレフォーラム」を開催します。
EV、再エネ、AI・データセンターの拡大で、電力を高効率に変換・制御する技術が事業競争力そのものになるため、パワエレ技術の重要性が高まっています。
それに伴い、開発人材の増強や異分野からの新規参入企業の増加により、技術者の需要が高まっています。
今回のフォーラムは、対面での開催とし、現場技術者のスキル成長支援のために、現場が動く育成の仕組みと実践につながるヒントを多角的に共有する場として企画しました。
会場にて、皆様にお会いできますことを楽しみにしています。
11:05
自動車業界では、カーボンニュートラルの実現に向けて電動化への取り組みが加速しており、電池、モータ、インバータをはじめとする電動化関連技術の重要性がますます高まっている。こうした技術変革に対応するため、スズキ株式会社では技術者人財の育成を重要な経営課題と位置付けている。スズキが大切にする「小少軽短美」や「現場・現物・現実・原理・原則」の考え方を基盤に、新入社員研修ではワークや体験を通じて原理原則を学び、現場で考え行動できる技術者の育成を目指している。さらに、電動化技術を支える専門人財の育成や既存技術者のリスキリングに向け、基礎から実務応用までを体系的に学べる研修プログラムを整備している。本講演では、新入社員から中堅・専門技術者までを対象とした教育体系と、電動化時代を支える技術者人財育成の取り組みについて具体例を交えながら紹介する。
13:05
当社は創立以来一貫して「モータとその応用領域」をビジネスの軸足に据え,グローバルに価値を提供してきました。パワーエレクトロニクスの発展期は,技術やモノがお客さまの革新に直結していた時代であり,パワーデバイスやそれを用いる製品の進化がお客さまの競争力を高める「分かりやすい方程式」が成立していました。一方で現在は,パワーデバイスや製品技術は進化しても,お客さまが勝てない(差別化できない)時代になっています。このような中で,顧客オリエンテッドな視点に立ち,技術を手段としてお客さまのビジネスモデルや開発プロセスをどう変革するか,が問われています。今やお客さまや市場の「コト」に繋がる技術・製品開発は,技術者が社会にアクセスするための必須アイテムとも言えます。そのような市場環境で,技術者が社会にアクセスできるように仕向ける教育や育成についての考え方や取り組みをご紹介します。
14:15
一言で「パワエレ技術者の育成」といっても方法論は簡単には浮かばない。パワエレ技術は「理論」を学べばよいわけではなく、「実装」、すなわち理想素子でない現実の部品を組み合わせて、理論を実現する技術である。したがって、実務のための教育では、理論もさることながら、理論と実態の乖離がどこにあるかを伝えるのが重要である。そのすき間を埋めて、理論をモノとして実現するのがパワエレの開発である。
本講演では、企業内教育講師、大学教員、パワエレ協会講師でのそれぞれの経験を述べる。さまざまな教育環境での経験から得られた事柄について、技術者育成に携わる方々の参考となるような講演を行う。
14:55
日本のパワエレ関連製品は現在においてもその性能・品質・信頼性において世界トップレベルを誇る。しかしその高い技術力こそが、AIを「まだ必要ない」と感じさせる一因になっている。現在、パワエレ回路の設計・開発へのAI浸透は決して進んでいない。だがこの現状は、裏返せば大きなチャンスでもある。本講演では、当研究室が取り組むAIを活用したパワエレ設計・研究開発の事例を紹介しつつ、日本が誇るパワエレ技術力とAIを掛け合わせることで世界をリードできる可能性を論じる。さらに伝統的なパワエレ教育の何を継承し、何を変えるべきかを議論する。これは一企業・一研究室の課題ではなく、産学が今すぐ連携して動き出すための視点と方向性を提言する。