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転職コラム

 

パワエレ技術者の働く魅力 -建設機械:株式会社小松製作所(以下、コマツ)-

 

皆さんは、建設機械の分野でパワエレ技術者が働く魅力について考えたことはありますか?
パワエレの仕事ができる会社として、建設機械をイメージされる方は少ないかもしれませんね。
建設機械は、特殊な車両が多いため、ハイブリットといっても、電動化する箇所は様々です。
「パワエレのスキルを身につけたい!!」そんなパワエレ技術者のために、今回は、建設機械の大手であるコマツ様にご協力いただきました。
転職コラム
左から 開発本部 電動化開発センタ 第一開発グループ
技師 小野 拓磨さん、技師 田尾 仁志さん、グループマネージャ 加藤 雅也さん
■経歴■
加藤さん:我々コマツは、油圧ショベル、ブルドーザ、フォークリフトなどの建設機械・鉱山機械を中心に開発・製造・販売するメーカーです。私は、開発本部の中の電動化開発センタに所属しています。私の所属するグループは、主にハイブリッドショベル用の電動コンポーネントを開発しています。それ以外に電動化開発センタでは、皆さんがよく見かけられるフォークリフトやミニショベルの電動化コンポーネント、将来のカーボンニュートラルを目指した先行研究、コントロールソフト開発などを担当しています。
田尾さん:私はハイブリッドショベルのインバータの設計を担当しています。インバータに入っているゲートドライブ基板や制御基板を中心に設計しています。
小野さん:ハイブリッドショベルのモータ設計を担当しています。ハイブリッドショベルのモータには、私が担当しているエンジンの機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機モータの他に、車体を旋回させる電動モータがあります。

 

■建設機械の中のパワエレの仕事■
加藤さん:建設機械の電動化マーケットは、まだこれからの状況です。ここ数年で、各メーカーが実証実験としてお客様の現場で実際に使用して頂き、フィードバックを頂いて量産性を高めている段階です。早期上市を目指しています。
当社の製品は、皆さんが街中で見るような小型から中型機種、砂利採取場や鉱山などで使われる大型機種など、約300機種にも及びます。カーボンニュートラル達成のためには電動化していかなければなりませんが、一気にできるものではなく、進めていくには多くの技術者が必要です。
また、建設機械は乗用車と違って、電動化するところが1つの車の中にたくさんあるということもあります。走らせるための電動化に加えて、作業(掘削する、すくう、旋回するなど)に使う部分の電動化も必要です。全て電動化するためには、油圧で動いている部分も電動化しなければなりませんし、ディーゼルエンジンを使用しているため回転数の制約がある中でモータを効率よく使うための方策や、部品をいかに共通化していくかなど、電動化の余地がまだまだたくさんあります。難しいですが、設計者冥利に尽きることがたくさんありますね。

 

■仕事のやりがいや苦労■
田尾さん:ゲートドライブ基板の設計では、インバータ内のパワーデバイスを駆動する回路を設計します。特に、旋回モータは重量20t(乗用車の20倍)以上にもなる車体で旋回加速・減速するため、大きなトルクが必要です。
そのためパワーデバイスは高電圧・大電流をコントロールする必要があり、熱が問題になります。加えてスイッチングノイズの問題もあります。スイッチングスピードを遅くするとノイズは抑えられますが、損失が大きくなり熱が増加します。熱とノイズはトレードオフであり、最適な設計をすることが難しいです。
また、ハイブリッドショベルは旋回・休止を繰り返すので、パワーデバイスの温度変化が頻繁に発生します。そのため、基板とパワーデバイスの接合部には熱応力が繰り返しかかってしまうため、熱応力もケアした基板設計が必要です。
小野さん:私は発電機モータを担当しています。入社9年目ですが、6年目まではエンジンの開発を担当していました。
電動化強化もあって機械系からパワエレに移ってきました。建機で大変なところは、稼働環境が厳しいというところです。
発電機モータはエンジンルームの裏に配置されるため、周囲温度は100℃くらいまで上昇します。熱の問題がとても難しいです。
また、エンジンルームはフードでふさいでいても粉塵が入ってきます。オイルや鉄粉が入ることも考えられるのでエンジン開発担当者と連携しながら進めています。エンジンや他コンポーネント設計部門と一緒に考えていけるのは、自社でコンポーネントを一貫して設計しているメリットだと思います。
加藤さん:建機用モータでも、効率アップと小型化のため、高回転で回していますので、騒音、音色、トルク変動等も考慮した設計をしています。

 

■働き方・サポート■
ー福利厚生、研修など入ってみて良いところを教えてください。
田尾さん:就職活動をしていた時、コマツは、機械の会社というイメージで、パワエレのイメージがありませんでした。企業研究をする中で、インバータを全て内製しているということと、ホワイト企業だという情報が目に留まりました。本当に、休みが多いです!入社1年目から有給休暇は20日間付与されるだけでなく、使い切るよう周りから支援されます。メンバー全員が休みを取るので、お互いフォローしあう雰囲気があります。他にも5日連続で有休が取得できるリフレッシュ休暇制度などがあり、ワークライフバランスの面で充実していて働きやすい環境です。
小野さん:2月に子供が生まれましたが、育休支援が手厚いです。男性の育休も取りやすい環境があり、中には半年取った方もいて、制度があるだけではなく、取りやすい雰囲気もあり、会社から支援してもらっているという実感を持てます。借り上げ社宅もあり、資産形成もしやすいです。

 

■求める人材■
加藤さん:私は入社以来33年間、機械系の仕事をしていましたが、数年前に今の部署に異動してきました。日々のOJTはもちろん、育成のための社内カリキュラムやOBによる教育など、きちんと育てる仕組みがある会社です。
機械系やギア系など他の分野の仕事をしてきて、電気系の経験がなくてもやる気がある方であれば歓迎します。
役職定年はありませんが、管理職は60歳か62歳、一般社員60歳または65歳の選択定年で、65歳までの再雇用制度があります。
また、経験者採用にあたって年齢制限はありません。他社からベテランエンジニアの方に来ていただければ、社内の知見も上がるので歓迎しています。

 

 

今の会社は、待遇も悪くない、人間関係も悪くない。でも、気づいてみれば最近開発業務ができていない。
そのことで将来に不安を感じている。パワエレ転職では、そんなご相談が一番多いです。技術の仕事がしたいパワエレ技術者のお役立ちが少しでもできるように、これからも現場の声をみなさんにお届けしたいと思います。

 

 

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