何をしたい

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• 40代以上社会人 楊　仲慶さん
• 2023/06/26

2023/06/26　vol.13

「君、何をしたい？」「将来、何になりたい？」。入学や入社当時、先輩や上司からよくそう聞かれました。正直に言って、大変困っていました。無難に「一流のエンジニアになりたい」、そう答えたという記憶があります。しかし、本当にそのような確たる目標をもったのかと言われたら、正直、ウソになります。これまでの自分を振り返ってみると、40歳代になってから、やっと自分のやりたいこと、本当の目標が見えてきたという気がします。おそらく若い読者の皆さんの多くも私の20代や30代と同様、目標探しに彷徨っているのではないでしょうか。

日本に留学に来たのも、自分が希望したのではなく、国から「君は日本に行け」と言われただけなのです。当時の中国は今と違って、就職先はすべて国が決めることになっていました。また、日本に来て研究室に入って、指導教授から、「君は何をしたい」と聞かれたとき、「誘導機の制御をやりたい」と希望しましたが、「まあ、とりあえずリラクタンスモータをやりなさい」といわれました。結局は博士卒業までの6年間、リラクタンスモータを研究しました。振り返ってみると、自分はやりたいことをやってきたことはあまりなく、言われたことを一生懸命にやってきただけだという気がします。しかし、結果的に大変よかったと今は思っています。モータを研究してきたことで、その後のモータ制御には大変役に立ちました。

自分の人生がラストステージに入った今、パワエレ協会において、技術者がさらに輝くよう、技術者のスキル向上やキャリアアップを一生懸命サポートしていきたいと思っています。それが自分の使命だと考えています。

　一般社団法人　日本パワーエレクトロニクス協会
　代表理事　楊　仲慶